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郵政民営化で郵便貯金が外資に売られることについては以前書いたが、郵便事業そのものにも多大な影響が出ることだろう。それはこんなところにも現れている。
年賀状の内容、ネットに 容疑の元郵便局職員を書類送検 この事件は、郵便物の仕分け作業中にみた年賀状の内容を、郵便局の非常勤職員(20)がネット(mixi)に流したというもの。 今後こういう事件は増えるだろう。いろんなインタビューなどを聞いてみても、派遣や非常勤の人達のうち、本当に仕事をしていても面白くない、こんな仕事どうだっていいやと思っている人は多いようだし、特に問題なのは同じ仕事をしていながら正社員とのあまりの待遇の差にこの不満をどこにぶつけようかと思っている人が多いことだ。 自分は損をさせられているんだからできるだけ会社でトイレ、充電、備品持ち帰りなどありとあらゆることをしてやらないと気が済まない、そう思う人も少なくないらしい。 その程度なら可愛いものだともいえるが、その気持ちが今回の事件のような犯罪の背景にあるとすれば問題が大きい。 かつて日本の犯罪率が低いとされていたのは、警察が優秀であるからでも、取り調べで人権侵害をするからでもなく、雇用形態が終身雇用だった部分が大きいといわれる。 たしかに、わずかなものを万引きでもして人生を棒に振るのはばかばかしいし、それなりの生活の保証があれば、そういうことをする気にもならない、このしくみが日本を極めて安全な社会にしてきたのではないか。 わたし自身も高校生のとき、郵便局で年賀状配達のアルバイトをしたことがあるが、面白い郵便物を見付けて本職の人に「これ面白いですよ」と言ったことがあった。しかし、その本職の人は若いお兄ちゃんだったが、ダメだよ、配達以外のことを考えたら、とたしなめられた。考えてみれば、私も高校生にもなっていたのに、恥ずかしい話である。そのお兄ちゃんは私より5つくらい上だっただけかもしれない。でもやっぱりプロというのはこんなものなんだなあ、と思った。もちろんみようによっては、熾烈な競争もない、ぬるま湯のような安定した職場なのかもしれない。しかし、こういう安定が郵便制度の安定や我々の生活の安心にも貢献してきたのだろう。 何を勘違いしているのか、私たちは人に余裕というものを与えてはならない、いつも忙しく、ぎりぎりのところで仕事をするのがよいことであるかのような勘違いをしていたのかもしれない。働いているのは機械ではなく人間である。 いま、トヨタから指導員がきて、ストップウォッチを持って郵便局員の作業を監視し、各作業が0コンマ何秒かかっているか計測し、どれを短くするかで作業の効率化を図ろうとするようなシステムが導入されつつあるという。 しかし、私はいままでの郵便に特に不満を感じたことはないし、世論調査など郵便に対する不満はほとんどなかったように思う。なぜそんなことをするのか、おそらくコストだけを重視し、正規職員をいじめてやめさせ、非正規に変えていきたいのだろう。しかし、これはいま国民が求めている流れに完全に逆行するものである。 前島密が、郵便制度は低廉一律の料金で、しかも通信の秘密を守る信頼されるものとして公的に運営されなければならないと考えていたのは本当に国家百年の計を持っていたのだと改めて思う。
by luxemburg
| 2007-03-24 16:01
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