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また変な題を付けてしまったが、いまのジミン党政府は「新自由主義」などといわれているけれど、本当はそんなご大層なものではないのではないか、という話だ。
ケインズ政策を批判する人は昔からいて、批判の多くは経済学的なものだったが、その中に政治的意思決定の観点から批判した人がいた。 それは要するに、いったんばらまき始めてしまうと元に戻らなくなってくる、ということだ。政治家はどんどんばらまいて人気取りをやり、愚かな政治家の下で政府は際限なく大きくなっていくというのだ。 それが行くところまでいったらどうなるか。 高い教育費、医療費のもとで、なんの役にも立たない政府、ばらまいているだけじゃないか、なんでこんな政府に金を払ってるんだ、俺たちはアホか、という国民の怒りを背景に、どこかで逆転が生じる。 今度は逆に、切りつめます、スリムにしますという政治家に人気が集まるようになる。増税をやめて、どんどん福祉を切り捨てる。人気を保つには「切りつめを止めるな」となってしまったわけで、これはこれでまた愚かである。 最初の愚か者がジミン党「抵抗勢力」であり、あとの愚か者が「新自由主義者」たちである。 昔ゲームセンターで車の方向がずれるとあわててハンドルを切り、また危なくなって逆に思い切りハンドルを切る。運動神経鈍すぎ、などと笑いこけながら遊んだものだが、それが一国の政治であって人間の命がかかっているとなれば話は別である。 日本の政治の場合、どちらにハンドルを切る奴にも何の定見もなく、その時その時の国民の不満を利用して、一方が多いとなればそっちからむしり取り、他方が多いとなればまたそちらから取る、イソップの狐のようなものだ。 私たちは、「新自由主義」などと、ご立派な考えのある人たちのようにいまの「改革」を考えているが、実際には、行き当たりばったりに日銭を稼ぎ、生でダラダラやってるだけの、金と権力の亡者達にすぎないのかもしれない。 一時期小泉さんが、まるで野党のお株を奪って改革を進めるように見え、野党以上に野党的で革新的であるかのように映ったのは、程度の低い手品だったということだろう。 過食症のあとの拒食症、ダイエットのあとの断食。これらは残念ながら余分な脂肪よりも必要な筋肉や骨を弱らせる。これを何度かやったあとの体はぼろぼろになる。 これに関連するが、前回、「世界一受けたい授業」の池上彰さんの話で、格差社会について少し書いたが、それに関連して税金の話も少し。 ◆ 日本の課税最低限は低い 前回、課税最低限の話をしたがいい加減な書き方しかしなかったので財務省の表を提示しよう。 課税最低額というのは、収入があっても一定額を超えない限り所得税はかからない、その額のことである。 で、夫と専業主婦の夫婦に子供二人という家庭について考えると次のようになる。財務省のHPよりいただいたもので、1ユーロ137円で計算されているため、ドイツなどはいまや600万円くらいになる。つまり、お父ちゃんの給料が600万円以下なら所得税無税、信じられます? ![]() (図はダブルクリックして頂けると少し見やすくなるかも) どうして税金が安いのかというと基礎控除の部分が大きい。日本の場合基礎控除は38万円で、そこまでの所得であれば、税金をかけるほどの余裕(担税力)がないと判断してもらえる。ドイツでは1990年頃まで基礎控除は50万円ほどだったらしいが、なんと憲法裁判所が違憲判断(中身は読んでないがおそらく生存権を侵害するものであるという判断なのだろう)を行い、現在は120万円ほどになっている。日本の最高裁からは考えられないような働きぶりである。司法制度も日本の大きな税金の無駄である。政府に同調するだけなら無用である、というところか。 ◆ 全体としても福祉国家の税金について大げさにいわれすぎ 日本だけの指標といわれるが、国民負担率というのがある。GDPのうちどれくらい政府に持って行かれるか、ということらしい。 一番高福祉高負担の国としていわれるスウェーデンの場合、国民負担率71%。「1000万円稼いだら710万円税金を持って行かれるのか」というイメージで語られ、「そんな国でいいんですか」などという脅しが入ることすらある。大きな政府の典型と考えられている。 しかし、実際にOECDがあげている賃金からの負担はこんな感じである。最も高いデンマークなどでも、給与から持って行かれる税金は30%ほど、社会保険料が10%ほどである。スウェーデンは23%が税金で10%強が社会保険料である。決して「ほとんど持って行かれる」わけではない。 ![]() ◆ 実はスウェーデンはスリムな政府 さらに、実際の負担を考えるともっと違いが出てくる。先に表を挙げておくと次のようなもの。 ![]() この表をグラフにしたものがつぎ。若干わかりにくいのだが、二本の棒グラフがワンセットになっている。 ![]() (すみません、縦軸GDPと書いてましたが、間違いで国民所得でした。訂正します) 左側の棒の赤が税金、ピンクが社会保険料である。それだけいったん支払ったことになる。 次に右側の緑色が社会保障給付で、その分は国民に返ってくる。そして、その差引の青色部分が、実際に政府が活動するための費用である。 一番右側のスウェーデンをお給料にたとえていうと、1000万円のお給料のうち558万円(所得税以外も入ってくるからさっきの話より高い)を税金として納める(グラフの赤)。そして社会保険料として197万円を納める(グラフのピンク)。合計で755万円を支払ったことになる(国民負担率)。 それだけをいうとものすごい高額である。 ところが、緑色は低所得者を中心にお金が国民に返ってくる。それが534万円である。だから実際に政府が取ったお金は221万円ということになる(グラフの青)。この221万円は政府という仕組みを回転させるための運営費といっていい。 決して「スウェーデンでは1000万円のうち700万円以上税金でとられる」のではないのだ。 その計算でいうと、むしろ日本の政府の運営費が、差引232万円とっているからスウェーデンより多い。それだけではない。所得再配分が行われているスウェーデンでは貧困層により厚い給付が行われているから、多くの国民にとってスウェーデンの方がはるかに暮らしやすいといえる。税金が高すぎて国民があえいでいる、というのは数字でみる限り、全くのデマである。そのスリムな政府であることの表れが、以前紹介したあのスウェーデン財務省の建物である。 私の周りではおおむね「スウェーデンではほとんど税金で持って行かれる」という認識(上にあげたとおり、実際にはお給料からは30%)に加えて、それだけ税金を払って教育をはじめとして、高級で十分なサービスを受けるものと勘違いしている人が多い。実際にはまずお金はほとんど返って来るのであって、意外にサービスの部分は低額で運営されている。 そのサービスを取ってみても全く違う。たとえばスウェーデンでは教育費がただであることだけを考えても、日本より小さいコストでサービスははるかに上である。 バカ高い高速料金を払うたびに怒りが沸々とわいてくる。 さらに、国民負担率自体にもマジックがある。日本は37%というが、実際には、税金以外に毎年多額の借金をしながら運営しているから、その潜在的自己負担を入れると50%ほどになる。そうなれば、日本政府にかかる経費は300万円を超えるだろう。しかし貧困者は医療を受けられず、経済苦でバタバタと人が自殺する。 郵政民営化が改革の本丸であるといった小泉さん、その流れを引き継ぐと言ったアベさん。 もともと税金が投入されていない郵政が民営化されたって、我々の暮らしは全くよくならない。 無駄遣いを続け、所得再分配を行う意思はないらしい。 かつて小泉さんは、ヨーロッパよりはるかに安い税金でヨーロッパ並みの福祉をなどといわないでくれ、というようなことを発言した。 正解はヨーロッパよりはるかに高い負担、そのうえ所得再分配という政府の基本的な機能を果たすことすらなく、、ヨーロッパをはるかに下回るサービスしか提供しない、最悪の政府。これがジミン党政府ではないのか。 政府というより、寄生虫といったら、寄生虫に失礼か。 (3月1日追記) コメント欄にも書きましたが、日本のグラフを見て社会保障費と社会保障給付がほぼ同額なのはおかしいんじゃないのか、だって、生活保護や基礎年金の3分の1などには税金が投入されているのであり、給付の方が大きいはずだ、各国を見たって給付の方がグンと大きいではないか、というご質問がありました。 ところが調べてみると、年度によって少しずつ違いますが大体こんなものなのです。 ここから普通に成り立つ推測は、私たちが支払った社会保障費が大幅に無駄遣いされ、その分を税金で補填した結果になっているのではないか、ということです。なんだかすごいな、というのが正直なところで、国民負担率などといって、給付との関係を考えさせないように誘導し、無駄遣いを隠しているのかもしれません。
by luxemburg
| 2007-02-27 21:54
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