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フセイン元イラク大統領は、イスラム教徒としては失格らしく、朝夕の礼拝もしない「俗物」だったらしい。しかし、多民族国家であればどこの国でも苦労する一応国家としての統一を維持し、石油収入を医療や教育につぎ込み、イラクをアラブの強国にまでした。
恐怖政治の国家という宣伝もなされていたが、現実にイラクに行った人の話によると、秋葉原のようににぎわいをみせる町、知識を求めて若者たちが古本屋に殺到し、シーア派寺院の前の商店街は浅草に似ている、ということだったらしい。もちろん北欧などのように理想的な自由主義国家ではなかったかもしれないが、決して「地上から抹殺しなければならない独裁国家」などと目くじらを立てるほどの政権でもなく(現在のイランも似たような宣伝にあっている節がある)、イラク戦争には何の正義もなかった。 もちろんフセインのようなイスラム教徒として失格の人間がイスラム原理主義者と関係しているとは考えられず、イラクがアルカイダ(元々アルカイダとはただのファイル名であってそんな組織はないらしいが)と協力してテロを行うおそれなどの大義名分も一切なかった。 アメリカは、イラクが石油代金の決済をドルからユーロに替えること、またイラクの世俗的な政策がアラブ全体の力を増すこと、そしてアメリカの景気対策のために、大量破壊兵器がないことなど先刻承知の上で、というより証拠を偽造してまで戦争に踏み切った。 フセインに落ち度があるとすれば、皮肉な話だが、大量破壊兵器を持たなかったことくらいだろう。もしアメリカ本土を核攻撃できる軍事力があればイラク戦争は起こっていない。そのことは北朝鮮も認識しているのか、大量破壊兵器を持つことこそが国防であるかのごとく核武装を宣言した。人口の半分が子供といわれるイラクで大量虐殺を行ったアメリカの罪は果てしなく重い。 そのフセイン元大統領が、昨日処刑されたという。そもそもその裁判といっても、途中で弁護人が何人も死ぬような状況で、およそ裁判と呼べるようなものでも何でもない。ブッシュが少しでも「成果」をあげて支持率を回復しようと思ったのか、フセインが生きていれば今までアメリカとフセインが共同作業でやってきた数々の事実が明るみに出ることを恐れたのか、それとも現在のイラク政府がいつまで持つかわからないから今のうちでないと殺せないのか、本当のところはわからない。 ただ、死刑というのは一番悪いやつが自分の利益のために行う殺人であることがいっそう明らかになった。 2007年は人間が生きる一年であって欲しい。人間を殺す政治が死ぬ一年であってもらいたい。そう願いつつ、皆様、よいお年を!
by luxemburg
| 2006-12-31 14:46
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