とりあえず、のブログです
by luxemburg
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八 「ご隠居、何だか今度教育基本法ってえやつで愛国心が定められそうなんですって?」
ご隠居 「そうなんだ、いやなご時世になったもんだよ」 熊 「え、国を愛しちゃいけないんですかい」 ご隠居 「熊さん、あんた頭悪いか性格悪いかネット右翼のどれかだね」 八 「ご隠居、こいつネット右翼だから頭悪くて性格悪いんすよ」 ご隠居 「なるほど」 熊 「ちょっと、感心しないでくださいよ。なにが問題なんっすか」 八 「熊さん、だから、ご隠居は『愛しちゃ悪い』とは一言も言ってないのさ、それを話の腰を折るためだけに揚げ足取りするから言われるんだよ」 ご隠居 「まあその話は冗談として、家族や母校や郷土、国を愛するなどは、わしら町民それぞれが決めることで、政府が法律で定めるようなことじゃない、ってことだよ。そういうのは幕府の仕事じゃない、国を愛して欲しかったらまず国民を愛せよ、そうすれば国民も愛し返してくれるだろうって言葉があるだろ?」 熊 「あるんすか?」 ご隠居 「知らない。とにかく幕府がやるべきことを履き違えてるんだよ。愛国心を強制した社会が、弱者に最も冷たい社会だったことは前にいったろ?」 熊 「ご隠居、luxemburgさんだったんすか」 八 「また分かり切ったこと言ってるとネット右翼っていわれるぜ」 ご隠居 「まあまあ。とにかく弱者にも他国にも憎しみを向ける装置、それが強制される愛国心なんだ。近隣の国に敵意をむき出しにしてるヤツほど愛国心なんていうんだよ。愛国心は悪党の最後の隠れ家ってやつだな」 八 「その言葉は知ってる。するってえと、愛国心ってのは随分内向きなものでやんすね」 熊 「でも勝手な人も増えてるし、公徳心が育つには愛国心がいいと思いやすがねえ」 ご隠居 「この『公』が我が国では問題なんだよ、publicって観念ならいいんだが、もともと大宅(おおやけ)、つまりボスの家ということだ。公共の福祉なんてえらそうなこといっても、それが共同社会における人権の利害調整の問題だということすら理解できず、なんだかすぐに高ーいところから『国家』みたいなのがおりてくるんだな」 八 「publicなんて、いま江戸時代なのにハイカラっすね。Sとかいう瓦版に天下りをやって平気な官僚や、中国の軍拡という問題に対処するには愛国心が大事だって書かれてやした。何だか違う気がする」 ご隠居 「ああ、近隣との関係を愛国心で解決しよう、というのはかえって危なくてしょうがない。天下りというのは特権的な官僚への規制や制度の問題で、そんないんちきに乗せられて愛国心なんて認めてたら、その強制は我々町民に向いてくる。『攻めてくるのは公安でないの』というやつだ。」 熊 「おお、その言葉は、有名なブログ界の貴公子、ヘンリー・オーツ(ヘンリー2世【ヘンリー王II】。え、まだわかんない?「ヘンリー王ツー」ってことね。あれ、ヘンリー玉川って読めちゃうの私だけ?これじゃブログ界のいんちき手品師みたいな名前になっちゃう)さんですね、結構笑えました。ところで、法律で決められたら強制されるってえのは飛躍してるんじゃないんですかい」 ご隠居 「その飛躍を平気でやる国だから心配してるってことだよ。『日の丸君が代』の時だってそうだったろ。本来強制にはつながらないと説明しながらとにかく法律を作った、その後は強制の嵐だ。処分者も出てる。強制は江戸だけ目立ってるが、全国でやってる。」 八 「法律で決まってるんだから、義務だといってる人がいっぱいいましたね」 ご隠居 「法律=義務というのは明治時代のドイツの法規概念を引きずってるからだろうな」 熊 「あの、いま江戸時代っすけど」 ご隠居 「だんだん興奮してきたからそれどころじゃない。たとえば国民の休日に関する法律ができたら、『休むのは義務』か、ええ、熊さん? 行政作用法※で国民に対する義務が決められて、それに基づいて行政処分のあるときだけが法律による義務なんだよ。ところが法律の大部分はその行政作用法じゃないんだ」 八 「なるほどぉ、町民が知らないと思って結構いい加減に『法律だから従え』みたいな権威を振りかざしてきてるんですね」 ご隠居 「まあ直接そういっているわけではないんだが、そういう効果があるからやってるんだろうな」 熊 「でも、教育基本法みたいに何だか理念のかたまりのようなものに愛国心を定めたからって強制があるんでしょうかねぇ。」 ご隠居 「今でも教科書の内容に対して細かく注文をつけてくるんだから、今度は記述に対して『愛国的でない』とか、個々の授業内容に対して『教育基本法の愛国心に反する』というのが出てくるだろうな。実際東京都じゃない、江戸では君が代の時に生徒が立たなかったら教員の指導の問題としてるんだから」 八 「なるほどねえ、ってことは、ファシズム時計は1分進むってことですかい」 ご隠居 「進むか進まないかは、わしら町民の力にかかってる。仏蘭西国では町民の力が政府を動かした。我々にもできるというところを見せられるかどうかだな」 blog-bluesさんのまねをしようと思ったんですが、根がまじめだから難しいっすね。 ※ 法律はありとあらゆるものがあるが、行政との関係で問題になるのは、行政作用法と行政組織法との区別。 警察官職務執行法のように、行政の作用を定めているものもあるが、警察法のように行政の組織について定めているだけで、それ自体国民にとって権利や義務の問題でない行政組織法などもある。ところが専門家でも意図的に行政組織法を使って国民に対する強制を根拠付けようとする悪質な議論も時々する。 たとえば警察法2条が 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。 と書いていることから、警察官にあらぬ権限を与える、などのやり方だ。 この法律は組織の設置目的を記載した行政組織法であって、国民に権利義務を根拠付ける行政作用法ではない。 なお、本文の趣旨とは関係ないが、こういう分野についてネット右翼がいかにアホか、アホだけでなく、わからないくせにむちゃくちゃ書いてくる恥じらいのない存在であるか、はこちらをごらん下され。「ご存知ですか?」だってよ。 (ここから実質別エントリー・・) 私は儒教精神から先生を尊敬せよ、などとは思わない。その先生が教えてくれる真理を畏れ、それ尊敬の念を払えということだ。 だから、トルストイの「復活」の中で、だったっけ、社会で疎んじられている人の口から真理が語られ、主人公(ネフリュードフだったと思う)が驚くシーンにはものすごく共感した。神はこういう人の口を通して真理をお伝えになることがあるのか、と。 真理に対する畏れのないやつとは話す意味がないしそんな時間もない。 ついでに言っておくと、今上に書いた法律の専門家のように、自分の知識を弱者をだます道具にするやつはもっとたちが悪い。 あ、江戸時代だったことを完全に忘れてる。
by luxemburg
| 2006-04-13 23:23
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