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とりあえず、のブログです
by luxemburg
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九条の会



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世に羨む日々?
 世に倦む日々がアクセス数をまたまたあげている。最初から靖国問題を扱うとアクセス数が上がるから、スイッチ押したくなっちゃうんだよねー、みたいに書かれているのに、見事に「釣られている」人が多いのかもしれない(私もそのうちの一人)。けっこうあちこちで話題にされているようなので私もこの人をテーマに一つエントリーを書いてみむとて書くなり、というところ。
 文章のうまさもさることながら、thessalonike2さんはブログの運営のうまい人だ、と感心する。



 なお、話題の靖国問題だが、「世に倦む日々」は最初から靖国訴訟を政治的なものと扱っている。実際、原告が上告しなかったのも、違憲判決が欲しかったからで、金が欲しかったからではないらしい。
 裁判制度をそういう目的に使っていいのか、というまじめな人もいるだろうが合法的支配(依法的支配)の下では裁判制度も最初から政治過程として織り込まれているから、政治という観点から見れば、そのような使い方もOKということになる。

※ 政治というのはどうやって消極的には秩序を維持し、積極的にはメンバーの服従を引き出すかという営為といえるが、「法律に則った、合法的な支配なんですよ」とか、超人的カリスマがリーダーだからついていけば大丈夫なんですよ、などの手段によって行われる。だから、裁判という制度があって、「何かあれば裁判所が助けてくれる」と思わせるルートを用意しておくのは依法的支配の政治過程として織り込み済みになっている。



 確かに法律論としては判決理由中の判断について文句があっても、とりあえず結論で勝ったんだから、それに不服を申し立てる利益はない(ただ、明文上および解釈上の例外は形式的不服説の中でもいろいろあるし、最高裁の法令解釈統一や憲法保障機能を考慮すると、認められる可能性がゼロとはいえない。朝日訴訟のように傍論中の傍論をだす最高裁だから)としても、thessanlonike2さんは、政治的に見て、最初から争いは憲法判断であり、それが政治過程にのせられた以上、政府側が上告しなかったことは、認めたのと同じだ、という評価をされている。この政府の戦術上の評価はいろいろあるが、thessanlonike2さんのとらえ方も十分あり得る。ただ、ちょっと振った先がボケに応じたつっこみを入れてくれなかっただけだが、それもまた一興というところの様子で、その態度もまた面白い。

 「世に倦む日々」については私自身も、「何でこんな下品なことを」と思うような内容に反発しつつ、けっこう読まされている。また、あちこちで女性運営と思われるブログにご執心の様子を見せたり、女性募集と書いたりしている点もどこまで本気でどこからがシャレなのかわからない点がまた運営というものなのだろう。それなりに書かれた女性の方もノリよく反応してくださっているようで、それにいらだっている人もいるようだ(私もそうだ)。

 その姿は、なんだかくの一を従えたどこかの首相に似ていて、トロツキーが言う、戦っている敵の姿に似てきたボリシェビキ、という気がしないでもないが、残念ながらthessanlonike2に共感している女性たちは、あの芸者集団とは違う人種のようで、そうなるとあのブログに対して「世にうらやむ日々」と思っている人も多いだろう。
 一度もお目にかかったことはないが、実生活でも女性についてはいい思いをしてきた人なのだろう。

※ なお、男性に言っておきたいが女性に関しては左翼的な男性の方がいい思いができる確率が高い。
 メスは、自分より大きく、角や筋肉から考えて攻撃能力の高そうなオスが自分やこどもを傷つけないかという点にけっこう敏感だから、オスの戦略としては、やさしいと思わせるのは重要だと動物学者たちは言う。もちろんどの男性も、女性に危害を加えるそぶりを見せないが、賢いメスはその優しさが本物かどうかをかなりきちんと見抜く。だから、弱者に心から共感したり、戦争を心から憎んだりする男性は、男性からみればただのキザな偽善者だが、賢い女性はそれが本物のやさしさと感じる。
 それに加えて能力があり、かつジョン・ロールズの「正義論」のような思想の持ち主なら完璧。



 せっかく「ストップ・ザ・小泉」に参加させて頂いているので、もうすこし。

 山口二郎氏(ファシズムの入口という点でと意見が近いから弁護するわけではないけれど)は、私の記憶では比例代表制推進論者だと思っていたが、先日著書を読み返してみたら、明確に比例代表制がよいと書いている。失礼ながらここは、thessanlonike2さんが若干誤解されているのではと思う(まあ、ここは小選挙区制に問題があるというのが一番大事なところなので、誰が何を言ったというのはそれほど重要でないかもしれない)。

 司馬遼太郎氏については、立派な作家だと思うが、明治維新が素晴らしくて、その後腐ってしまったと言うより、明治維新自体がそもそも近代日本のボタンの掛け違えではないかと私は思っている。映画「ラストサムライ」は、その点をしっかりとらえている。評論家が、あのハリウッド娯楽映画に「歴史考証がむちゃくちゃ」とかみつくのは、あの映画がけっこう本質を突いているからではないかと最近むしろ意を強くしている。なお、「武士の家計簿」磯田 道史(新潮新書)を読むと、明治維新が何であったか、本当に生活レベルからその一面が見えてくる。

 右翼に対するスタンスはとてもいいと思う。私自身も非常に右翼的な思想を混在させており、右翼思想の源流はプラトン「国家」だと勝手に思っているが、あのノブレス・オブリージュがあれば日本はどんなに素晴らしい国になるかと思う。

 いろんな違いがありつつも、この動きが発展していくことを願う。今のところ賛同ブログを順番に見せて頂くくらいしかできていないが、それだけでも、「こんなに素晴らしい人たちがいるのか」と勇気づけられた。
by luxemburg | 2005-10-27 23:44
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