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by luxemburg
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九条の会



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自民党の勝敗ラインは3分の2確保?
郵政民営化賛成の意見が知りたいと、首相発行のメールマガジンを読んだ。率直なご批判が大事らしいので、率直な感想を書いてみた。
読んでみて思ったことだが、自民党は3分の2を確保して初めて勝ったといえるのであって、それ以下であれば小泉さんは退陣するのが筋ではないか、ということである。




8月8日、衆議院を解散いたしました。小泉内閣の「改革の本丸」と位置づけてきた郵政民営化法案が参議院本会議で否決され、廃案となりましたが、私は本当に国民の皆さんがこの郵政民営化は必要ないと思っているのか、直接聞いてみなければならないと思い、衆議院を解散しました。

これは憲法違反である。憲法は69条(内閣不信任案可決)の場合以外に解散権の根拠を定めていない。ただし、学説は実質上の内閣不信任、もしくは前回総選挙時に争点とならなかった新たな国勢上の争点が生じ、政府と議会の協同がはかれないような場合に、解散を認めるのが一般である。しかし、郵政民営化は、アメリカが10年以上前から日本に要望(事実上の命令?)してきたことであり新たな争点でもなんでもない。

いわば、今回の解散は「郵政解散」です。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対なのか、これをはっきりと国民の皆さんに問いたいと思います

もしそうなら現状認識に問題があると言わざるをえない。なぜなら、北朝鮮の核疑惑、拉致問題、六ヶ国協議、イラクで兵士が生命の危機にさらされている現実、財政破綻、年金問題、道路公団の改革がまったく進んでいないことなど、問題が山積しているからである。各種調査においても、郵政について大きな不満がないことは政府自身も認めていることで、一言でいってどうでもいいことで政治的な空白を作ることのほうがよほど問題ではないか。日本に、政治に責任を持つ人がやるなら別の方法もあるのではないか。

今まで、すべての政党が郵政民営化に反対してきました。なぜ「民間にできることは民間に」と言いながら、この郵政三事業だけは民営化してはならないと言うのか?私はこれが不思議でなりません。

これは、論理問題の初級中の初級。まったく政治的知識のない小学生に聞いても、野党が「郵政は民間にできることではないからと考えている」、という答えは簡単に出せる。
ただしこの質問の前提は間違っている、必ずしも民営化そのものに反対している人ばかりではないからだ。

 郵便局の仕事は本当に公務員でなければできないのか?役人でなければできないのか?私はそうは思いません。「大事な仕事だから公務員でなければだめだ。」と言う人がいますが、それこそまさに官尊民卑の思想です。それは民間人に失礼だと思います。

「大事な仕事だから」公務員と誰がいっているのか?
反対派は、民営化に反対しているというより、小泉民営化に反対しているだけで、この批判はまったくのでたらめ。
民営化自体に反対している人も、民間に任せることが適切でない仕事というものがある、と考えているだけでそれは性質上の分類をしているだけ(市場の失敗、公共財の供給をどうするかの問題に過ぎない)。例えば食糧を作るのは民間が行っている、公園を作るのは公がやる、どちらが大事という話ではなく、民間がやるのが適切かどうかの議論をしているだけである。

さらに、この言葉にはもうひとつウソが含まれている。結局この言葉は、「反対派は公務員でなければできない」ことを立証せよ、といっている。しかし、現状を改革する側が、「公務員ではダメだ」という立証をしなければならない。

つまり、公の仕事には上水道(民営)・下水道(公営)、羽田空港(公営)、成田空港(公団→民営)、関西空港(民営)のように、実はどの形態でやったからどうなるというものでもない中間のものも存在する(特殊法人を整理しない小泉さんにはうれしい議論かも)。

公務員でなければ──どちらでも──民間でなければ
A            B            C

 Aを立証して見せろ、と言うのだが、民営でなければならないという側はCである説明をしなければならない。「公務員でなければならない(A)のか、わたしはそうは思わない(つまりBまたはCとなるだけで、Cが導かれるわけではない)」

郵便局の仕事は民間の経営者に任せても十分できる、むしろ、民間人によってこの郵便局のサービスを提供していただければ、今よりももっと多様なサービスが展開できる、国民の利便性を向上させる。民間の経営者は、国がこういう商品を出しなさい、こういうサービスをやりなさいと義務づけなくても、国民に必要な商品やサービスを展開してくれると思います。

「こういうサービスをやりなさい」と義務づけないのであれば、採算のとれない地方局は閉鎖することを自認したおそるべき発言である。
国民に必要な商品やサービスを民間が提供する、というのは、経済学のイロハを知らない議論。民間になったら、儲かる事業をやるだけ。国民に必要でも公園や灯台を整備してくれることはない。次の総理大臣はぜひ経済学部卒業の方を選ぶとよいだろう。

私は、「この郵政民営化よりももっと大事なことがある。」と言う人がたくさんいることも知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないでどんな大改革ができるというんでしょうか。私は、前々からこう言っているんです。「行財政改革をせよといいながら郵政民営化に反対することは、『手足をしばって泳げ』と言うようなものだ。」と。

1945年の敗戦後、税制から憲法まで、大改革が行われた。しかし、郵政民営化をしていない。郵政民営化しなくてもどんな大改革でもできるのである。歴史をきちんと調べてみる必要がある。
それとも首相は、戦後の大改革に見えて実は国体、すなわち大日本帝国は何ら改革されないまま現代に生きているといいたいのか。
手足をしばって、というくだりは、「わたしは前々からこう言われているんです。『郵政民営化しないと手足をしばってどこかの海に放りこむぞ』と」とするほうがよいように思う。

本当に行政改革、財政改革をやるんだったら、郵政民営化の実現なしには進められません。

もしそうであるなら、いまからでも遅くはない、郵政民営化の実現なしに進める能力のある人にゆずって退陣するのもいいかも知れない。

郵政三事業には約38万人の公務員が携わっている。私は、これを民間人に開放するべきだと言っているんです。

 38万人?日本人は統計で嘘をつくから信用されないとよく言われるが、公務員として郵政で働いているのは26万人ではないのか。もし知らないのであれば郵政についての知識不足、勉強してから改革を唱えても遅くないのではないか。
「開放」とはなんだろう。ひょっとしてJRのように大量の首斬りをして、その後採用を増やすということなのだろうか。
郵政のしごとをしたいという若者が、会社の就職試験を受けて入るのは「開放」で、公務員試験を受け手入るのは「閉鎖」なのか?

私は、郵便局は国民の資産だと思っています。

郵便局は国民の資産であれば民営化すれば、株主のもの、そしてそれを買うのはほぼまちがいなく外資、つまり国民の資産を売り飛ばします、とまさに宣言するということか。やはり政治家は正直が一番である。

過疎地の郵便局もなくなりません。今の郵政三事業のサービスは、民間人に任せても、地方においても、過疎地においても維持される、十分にできます、ということを言っているんです。

 民間人に任せたら、利潤原理で動くことになるから過疎地の郵便局はなくなる。「こういうサービスをしなさいと義務づけ」ない以上、まちがいなく、過疎地の郵便局はなくなる。
ところで、「民間人に任せても」ということは、「民間人に任せなくても」ということか。民営化しなくてもいいのか?
「民間人に任せないと、このままでは過疎地の郵便局がなくなる」と説明してもらいたい。「民営化しても悪くはなりませんよ」では説明責任を果たしていない。

約400年前、ガリレオ・ガリレイは、天動説の中で地球は動くという地動説を発表して、有罪判決を受けました。そのとき、ガリレオは、「それでも地球は動く。」と言ったそうです。

この話自体嘘らしいが、まあここではこの真偽自体どうでもいい話だから、それはそれでいいだろう。
ただ、ガリレオは、権力を持たないものが真実の力のみを頼りに戦った、歴史上の偉人である。もし自らをガリレオに例えるなら、自民党という装置も、政党助成金も、内閣官房費も一切使わずに、真理だけで戦ってもらいたい。もちろん反対するものは公認しないなどの権力的なやりかたもガリレオに失礼である。なぜ郵政民営化が必要なのか、真理を語ってもらいたい。我々はその言葉を待っている。
なお、この発言は「罪を憎んで人を憎まず」という発言を思い出させ、面白い。それは、被害者側がいう言葉であり、加害者側がいうと、「盗人猛々しい」となる。

今、国会では「郵政民営化は必要ない。」という結論を出しました。「それでも郵政民営化は必要だ。」と私は思います。私はもう一度国民の皆さんに聞いてみたいと思います。本当に郵便局の仕事は公務員でなければできないのか、民間人でやってはいけないのかと。

 参議院は理の政治を行うところとされている。衆議院はそれに対比するなら数の政治を行うところである。数の政治において否定されたのであれば、本当の数はどうなのか、解散で民意を問うべきともいえる。しかし、参議院で否決され、衆議院を解散することは何ら解決にならない。もし、解決すると言うのであれば話は簡単である。勝敗ラインを与党3分の2超とすればよい。それなら参議院で否決されても衆議院で再議決すれば法案は成立する。
したがって自民党、公明党の勝敗ラインは3分の2と考えるのが筋である。
過半数でも議決可能というのであれば、それは「勝てば脅しがきくだろう」というにすぎない。
 なお、郵政民営化は必要ないという結論を出したのではなく、政府案ではダメだ、といっているにすぎない。
 この点はテレビの討論で竹中さんが菅さんに「郵政民営化、賛成なんですか、反対なんですか」と勢いよく迫ったという。なんだかこの人までワンフレーズ病にかかってしまったのかと思うが、結婚自体はしたくてもこのカス男とじゃイヤだ、という選択があり得るわけで「結婚一般に賛成か反対か」などという質問が無意味であることはわかっていて、彼らがすきな「低IQ層」に訴えているのであろう。ファシズムの面目躍如というところか。

そして、郵政民営化についての国民の皆さんの支持を得て、衆議院で過半数の勢力を得ることができれば、参議院の反対した皆さんも協力してくれると思います。選挙終了後国会を開いて、郵政民営化の法案を成立させるように努力していきたいと思います。

とおもっていたらやはりそうだった。衆議院で過半数をとれれば、脅しがきくということらしい。

小泉内閣発足当初から始めたこのメルマガも、今回で200号。最初は、ここまで続けられるとは思っていませんでした。ここまで続けることができたのも読者の皆さんの暖かい応援や励まし、あるいは率直なご批判のおかげです。本当にありがとうございます。

 何ごとも続くというのは素晴しい。今後は率直になぜ郵政民営化が必要なのかを答えてもらいたい。これだけの文字を並べて何の説明にもなっていないことがわからないから、説明責任を果たしていないという言葉の意味がわからないのだろう。
by luxemburg | 2005-08-26 22:03
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