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自衛隊は国民を守るものだと思っていた人にとってはちょっと驚きの事件であったが、やっぱり国民の税金を使ってそんなことをしていたのか、と想定の範囲内だった人も多いことだろう。
今回の事件については何を問題にすべきなのか、一部に迷っている人もいらっしゃるようで、私自身もわからないことが多いが、(どうせ出てきたのは資料の一部に決まっているから、水面下で何をどこまでやっているか、底知れぬ闇のようなものを感じる)一応今の時点で、特に賛成派の方のご意見を読んで感じたことをまとめておきたい。 -- あなた方はプライバシー侵害(憲法13条)を問題にしているが、盗聴などをしたわけではないからおかしいのではないか 自衛隊の収集した資料には各種のものがあり、公開の場での発言を収集することについては確かにプライバシー侵害といえないかもしれないが、少なくともデモなどの写真を同意なく撮影することは、13条違反といえる。最高裁判所も肖像権と明言はしないものの、この点は認めているといえる。 -- ではその他の情報を集めていることについては、思想を理由に差別したり弾圧したわけではないのだから人権侵害ではない その人が持つ思想などを理由に就職などで差別をするのは14条違反になるが、具体的に差別などをしない限り、情報の取得自体は問題でないと考えているとすれば、大きな間違いだ。差別や弾圧は、その前段階として相手の思想を察知しようとする活動から始まる。日本国憲法が思想良心の自由を掲げているのは、その段階で憲法違反とする立場だ。古典的には、"踏み絵"などの手段によって人の内心を察知するのが権力者の使う方法だったが、クレジットカード、高速道路の料金所をETCで通過すること、道路上にある監視カメラ、携帯の位置情報などを総合することによってその人がどのように行動したかを浮かび上がらせることによって内心を察知する手段が現代的であり、実際携帯の位置情報はそのまま警察に垂れ流されていることはわかっている。決してそれは杞憂ではない。 従って、私はこの問題の当初から19条に絞って考えている。日本共産党の志位委員長はわかりやすさを優先して13条を問題にしているのだとは思うが、19条の問題ははるかに怖い。そして、再度言うけれども世界的に珍しい19条のような規定をおいた日本国憲法を作った人たちの卓見に今さらながら敬服する。 -- しかし、有事の際にテロや利敵行為を行う者を事前に把握しておくことは国の安全を図る自衛隊の活動として是認されるべきではないのか。 あなたの言葉はまさに"憲兵隊"が考えていたことそのものである。それを理由に明らかにテロリストとは関係のない文学者なども獄中で殺されているのである。かえって恐ろしくなってきた。 さらに、テロリストはアメリカが育てた事実を見逃してはならない。 また、現在イラクなどで生じている「テロ」行為がなぜふえたのか。ベトナムのようなジャングルがない場所であればベトナム戦争と同じ失敗はないと考えてきたが、その「テロリスト」は市民というジャングルに隠れているのだ。一般市民がアメリカの侵略に抗議し、ゲリラを応援し続ける限り、「テロ」はなくならないというより、アメリカが増やしているのだ。戦争をやめればテロはなくなる。実際アメリカがベトナムから完全に手を引いてから、ベトナム人による「テロ」がどれだけアメリカ人を殺したというのだ? つまり、テロは軍事的な侵略に対する反動として生ずるのであって、テロを恐れ準備するべき、というあなたの考えは、侵略を準備する考えに過ぎない。
by luxemburg
| 2007-06-11 07:29
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