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現在のわが国の商法は以前からみるとだんだんハイエナ会社法になってきている。国際法にたとえると、帝国主義時代の弱肉強食のハイエナ国際法。
ハイエナ商法で現れたのが、ライブドア。ハイエナ国際法を利用して現れたのが大日本帝国。何となくそういうたとえがこの事件の最初から私の頭を離れない。かなり強引なタイトルになったが、とりあえずそういう連想で考えてみたい。 日清戦争とライブドア事件日本の明治維新は最初から軍国主義的なもので、外国の死の商人にそそのかされた一派が起こしたクーデターという側面があると前に書いた。日本は列強に並んで植民地を獲得したい、という帝国主義的な動機を持って富国強兵政策を進めていた。それが本格的に現れたのが日清戦争で、日本は遼東半島などを得たが、欧米列強は日本の領土獲得に干渉を加えてくる。では列強は真に正義の立場から、もしくは清のためにやったのかというととんでもない。彼らも日本に負けず劣らず侵略的であり、日本を妨害して、自分たちがぶんどり合戦で勝利を収めようとしたにすぎない。結局その後、清は本格的な侵略と領土分割の危機にさらされることになる。 ライブドアがかなり無理をして勝ち取った遼東半島は元の持ち主に戻されるだろうか。おそらくライブドアを買いたたいた企業がぶんどるだけのことだろう。 ではこれからの社会はどうか日清戦争後、清が本格的な侵略と領土分割の恐怖の時期を迎え、帝国主義の血みどろの争いと世界大戦の時代に入るように、ライブドア事件はこれからの恐怖社会の始まりではないかと思う。私が新自由主義の終わりとは何の関係もないといったのは、このあたりの認識にある。このタイプの植民地主義が終わるまでに日清戦争から50年かかった。もちろん、日本国民自体がそのことに気づいて自ら終えたのではなく、とてつもない犠牲と破壊によってやっと終わった。すると、日本経済のこの後のシナリオもなんだかだいたい見えてくる。 それは、今までの日本の企業風土と、現在進行中であるアメリカの圧力による商法改正に関連している。「拒否できない日本」の関岡さんがかかれているとおり、ただ単にあれを買え、これを買えと言ってきているのではない、企業文化そのものを変えろと命令してきている。それがアメリカ流のハイエナ会社法である。その企業文化の行き着く先がライブドア的虚業が日本を覆い尽くす経済であるように思う。 もちろん、ライブドアのように下手をうつ企業ではなく、スマートに、合法的に、全く同じことを進めていくだろう。しかしその本質は変わらない。 たとえばサラ金屋は当初どこをつついてもやばい企業ばかりだったが、そこに銀行が入ったこともあって、ずいぶんとスマートにやるようになった。では本質は変わったか、むしろコマーシャルの世界でも市民権を得て堂々と、そして大規模に行われている。 実際経済学者の加藤寛は、この事件がこれからの流れの先駆け(もちろんいい意味ではないのだが)であるとして、今後もちろん合法性をきちんと手当てした企業が、内容的には結局同じことをやってくる社会になることを示唆している。 これからの日本社会はやがて日本が誇る技術も勤労精神も、過去の資産を食いつぶして、落ちるところまで落ちていくだろう。そんなことはアメリカからすれば知ったことではない。そうなれば投資の先は中間層が2億人いるといわれるインドに移るだけのことで、体液を吸い終わった蜘蛛はポイッと抜け殻になった虫を捨ててしまうだけのことだ。 だからあの自殺についても堀江がやったのではないか、というようなバカな推理ごっこ(そもそもそれは推理としても筋が悪い)をしているときでなく、今の大きな流れの中でこの事件がどういう意味を持つかを考えていかなければならない。 このハイエナ会社法については、次の記事で書きたいと思うがうまく書けるかどうかわからない。いずれにしても、10年以上前に子供を留学させようと漠然と考え、その後現実の政治においても、また関岡英之さんの著書などにおいても目に見える形になって提示されるようになってきたと思ったが、ライブドアもいっそう明確な形でこの国はやばいと思わせてくれた。
by luxemburg
| 2006-01-29 22:53
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