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by luxemburg
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九条の会



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子供は留学させよう(4)----ホストファミリーの迷い
 前の回、部活はやめちゃうし繁華街でぶらぶらするし、という留学生は困ったものだ、という話を書いた。
 結局、外国からの留学生が何を求めて日本に来るのかが不明確、というのが根本的な問題点であることに気付くまで相当な時間がかかった。



日本って何?


 最初、お寺や神社に連れて行こうとしても建築にも何にも興味がない。テレビをつけて、できれば日本文化の紹介番組にしてやろうと思っても、非常に退屈しているようだ。
 ところが、アニメになるとけっこう熱心で、ドラゴンボール的な格闘の多いものや、女の子がメカニックな戦闘服(なぜかミニスカートで下着(見せパン?)の見えそうなもの、防御にも何もなりゃしない。なんだかブログの風格が下がってきた・・・)を着て怪しげな銃をぶっ放すものは面白いらしい。本国では一部しか紹介されていないものらしく、感激している。
 こら、日本に何しに来た、と言おうと思ったが、ちょっと待てよ、お寺・京都・仏像・庭園が「日本」か?そう思ってるのは土門拳だけじゃないのか。
 ほかの留学生も多くの子はゲームショウ、アニメ、マンガが好きで、そのメッカに巡礼に来る。
 誰も日本の文化や習慣を学びたいと思って、本当にとけ込みたいと思っては来ていない、ということがだんだんわかってきて、自分自身が「一体日本って何?」とわからなくなってきた。

日本の家庭とは


 よそのホストファミリーに来ている、やはりヨーロッパからの女の子と話したとき、その子は日本の家庭をそのまま吸収しようと思っていた、という。これは素晴らしい、うちに来たアニメ小僧とずいぶん違う、と思った。
 ところがその子が語るには、ホストの家は、子供は塾に行くのでその前に簡単に夕食を食べたあと、塾の休憩時間にファーストフードのハンバーガーを口に押し込む。お母さんは別に一人でご飯を食べ、お父さんは深夜に帰ってきて一人でご飯を食べる。
 いろいろ聞いて日本語訳すると、お父さんは社畜、子供は勉畜、お母さんは家畜、これは家庭ではない、というのだ。しかし、それもまた日本の家庭の典型的な一つのタイプであって、日本を丸ごと吸収するなら、それを吸収しなければならない、それもいい経験かもしれないと思った。そういう話もした。

わかったけど、で?


 しかし次で困った。それを「吸収する」って何?
 たとえばその子のヨーロッパのおうちでは、お父さんも一緒になって庭でご飯を作って食べたりするそうだ。そうなると、いろんな料理やら薪割りやら手伝うべきこと「吸収する」ことがある。協力しながらいろんなことを覚えていくという。
 自分だってヨーロッパの家庭がそのまま日本に持ち込む気はない、日本の家庭の流儀があるならそれでかまわない。では、そのヨーロッパと違う流儀の日本の家庭を吸収させてくれ、何をすればいいんだ?
 つまりこれは日本とヨーロッパの家庭や文化の違いではないのではないか、日本には学ぶべき、吸収すべき家庭の文化というものがないのではないか、ということだった。別にヨーロッパで過ごしてきたのと同じ家庭があるとは思わない、しかし、日本の家庭、というのはないのではないか、これを弱冠16歳の女の子から突きつけられた。
 この私が、人と議論してうるさがられる私が、英語であるとはいえ、こんな目にあうとは。第5回へ
by luxemburg | 2005-11-23 22:14
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