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財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は20日、財政制度分科会の合同部会を開き、公立小・中学校の教職員の給与水準が地方公務員の一般行政職員より約11%高く、西室泰三分科会長(東京証券取引所会長)は部会後の会見で「教職員をあまりに優遇しすぎた。この制度は現実離れし、既得権益になっている」と強調した(なお、教員は基本的に大卒なので、大卒一般公務員と比べる必要があるが、それだと4%ほど高い程度というのが文科省の言い分)。
教員の給与が、一般行政職員より優遇されるのは1974年に制定された「人材確保法」。田中角栄が学校の先生を大事にしたということらしい。 先生たちはとても忙しく、厳しい勤務条件 教員をしている友人は、最低でも授業準備のために3時間、小テストや定期テストの採点など一日平均にならすと30分くらい、事実上サービス残業をしている。クラブ活動の引率など、事実上かなりの休日出勤もしている。クラブ活動中にけがをする生徒も時々いて、いつもドキドキしながら病院に付き添って行っている。骨折などであったときには、もう何日も眠れないらしい。 さらに通常の職場と異なり、通勤場所は何度転勤しても不便なところがほとんどで、駅から歩けるようなところはまずないから、ウォーキングのトレーニングと割り切るほどの通勤条件。 教員の仕事は、重労働であるだけでなく、非常な緊張を強いられ、かつ創造的な仕事である。私自身は塾で教えた経験くらいしかないが、こどもは一度説明の仕方を間違えると、もうアウトである。別な説明方法をしようとしても、一度わからなかったらもう聞いてくれない。緊張の連続だった。こどもの状態に合わせて緩急をつけ、強弱をつけながら時間を気にしながら教えた。面白いと思うこともあったが、とにかく大変な仕事だと感じた。多少の違いはあれ、先生たちの生活はこんな感じだろう。 この話の流れからは、「一般職公務員より高くてよい」という話になりそうだが、私のいいたいことは実は少し違う。 イソップの狐の話と同じ 教員が優遇されているかのような議論で非常に危険なのは、イソップの狐と同じだという点である。イソップ童話に出てくる狐が、獲物を取り合いしてけんかしている者の間に割って入って、「確かにこちらの方が多い、平等にするために、私が少し食べてあげよう」「あ、今度はこちらの方が多くなった、ではこちらを食べてあげよう」とするうちに全部獲物を食べてしまった、という話を思い出す。 郵便局員がいかにも特権階級であるかのように映し出し、労働条件を切り下げておいて、今度は教員が特権階級であるかのように攻撃する。そういえば、中小の業者がまるで特権階級であるかのように攻撃することによって消費税を導入(サラリーマンは収入を捕捉されているから、自営業者に比べ、直接税では不利だから、直接税の比率を減らして間接税を増やす、という議論をした)した時も同じやり方だった。弱いもの同士がいいようにいがみ合わされているのだ。 誰かと誰かをいがみ合わせ、足の引っ張り合いをして簡単に自分の首を絞める国民だと思われている、これもいわゆるB層戦略(自民党が郵政改革が不要であるにかかわらず、必要であるかのように宣伝するため、IQの低い層と言われるB層をねらい打ちにした戦略)の一つだろう。 誰かと誰かを比較するような問題ではない、比較するまでもなくおかしい政治献金の全面禁止、政党助成金の廃止、特殊法人の整理、財投債の停止、天下りの禁止、これらをやってから、教員の給与や郵政に手をつけるべきだ。
by luxemburg
| 2005-10-24 22:39
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